地震復興支援活動の背景

2015年4月25日にネパール中部を震源地としたマグニチュード7.9の大地震が発生いたしました。パックスアースが活動するカトマンズやカブレパランチョーク郡でも大規模な被害が報告されており、一部報道では国内だけでも1万人の死者が出てしまう見込みのようです。

首都のカトマンズには多くの国際機関やNPOが復興支援活動を展開していますが、地方であり本団体の活動地であるカブレパランチョーク郡には国際協力の手は行き届いていません。

本団体ではネパールのカブレパランチョーク郡にて、子供達の教育環境の復旧、農家の農業活動の復旧、そして長期的な環境教育・野外教育・スポーツ教育の復旧などを目的として活動します。
カトマンズ市内

方針や取り組み方

本団体の活動の担い手はネパールと日本の20-30代の大半がボーイスカウト出身のメンバーになります。現地法人はカトマンズに本拠地を置く、Pax Earth Nepalであり、ネパール政府にも登記・登録を行っているNPO法人です。小さいチームですが組織化されて機動力を持っています。必要に応じて国際機関や他NPOとの連携も進められる柔軟性やコミュニケーション能力を持っています。

■活動主体・募金先:
ご協力いただきました募金はパックスアースのネパール現地法人であるPax Earth (Nepal)にて使用させていただきます。

Name: Pax Earth Nepal
Address: Pashupati-8, Kathmandu, Nepal
Website: http://pax-earth.org/
Social Welfare Council (SWC) Affiliation No.: 25466
Chief District Officer (CDO) Registration No.: 04/065/066

日本法人であるNPO法人パックスアースは主にプロジェクト管理・広報、ファンドレイジング、緊急支援段階を終えるであろう夏以降の短期派遣の活動を担います。

活動費募金のお願い

ご寄付頂いた復興支援活動費については、以下のような用途で大切に使わせていただく予定です。
・資材購入費:
建物や道路の被害が報告されており、特に山間部ではライフラインとなる道路の復旧が急務になっています。その工事に必要な機材や道具の調達を予定しています。
・交通費・消耗品費:
活動地であるカブレパランチョーク郡は首都カトマンズから約60km離れており、ボランティアスタッフの交通費や消耗品費への充当を予定しています。
・パートタイム人件費:
まずは日常生活に戻れるように、臨時で職員を雇用し、復興支援活動に集中できる体制を作ります。なお、ネパールでの月額平均給与は2-3万円と言われており、当団体でもそのような水準での支給を予定しています。

今後の活動進捗報告

こちらのウェブサイトにて活動進捗報告を随時掲載するとともに、Facebookのページでは現地スタッフからの直接的なレポートをご覧いただけます。そちらも合わせてご参照いただければと思います。皆様のご協力に感謝申し上げます。

2015年5月3日:現地からの連絡

初動の活動として、カブレパランチョーク郡のKot TimalとKalikasthanにテント90張りを持参・寄付することにしました。本活動は当地のChairman of Public Service Commissionと協力して実施いたします。

2015年5月4日:為末大さんのTwitter/Facebookで本ページをご覧頂いた皆様へ

為末さんには2014年9月にパックスアースのカトマンズ事務所を訪問していただきました。本年度から為末さんとの協業も本格化しようと話をしていた矢先の地震発生でした。今後もパックスアースは為末さんとともに活動してまいります。
With Tamesue-san

2015年5月5日:カブレパランチョークにてテント配布

現地時間5月4日に当団体の活動地であるカブレパランチョークのKot Timal (50家庭分)とKalikasthan (40家庭分)にて、合計90セットのテントを配布いたしました。これは当地の住居の多くが崩壊もしくは崩壊の恐れがあり、まだ余震が続く現地にて、まずは雨風を凌げ生活拠点の確保をするための処置になります。さらに追加で90セット必要とのことがわかっており、近日中に調達・配布の予定です。
テント配布

2015年5月13日:第1回目日本からネパールへの支援金送金

この日までにご支援いただいた募金のうち、テント約200セット相当をネパールに海外送金いたしました。前日に再び大きな余震があり、また今後雨季を迎える現地においては、雨風をしのぐための仮設住宅がとても重要でして、資金はテントの調達と配布活動にしようされる予定です。次回の配布は5月16日を予定しています。送金にあたっては、ネパールNPOの現地口座に振込むと政府のPrime Minister’s Relief Fundに回収されてしまい、当団体のネパール現地法人で使用できなくなってしまうため、民間の送金サービスを通じて当団体に送ったことも付記いたします。

2015年5月16日:カブレパランチョークに第2回目訪問・現地調査

前回の訪問時に足りなかったテントの配布と詳細な村や学校の被害状況の調査を行い、改めて今後の支援方針の検討を行いました。半全壊してしまった家屋に住む家族へのテント配布は一通り行き渡りましたが、6月-9月は雨季になっており、雨季を乗り越えるためにはトタンによる屋根の設置などが求められています。また、当団体が従来より支援している学校校舎の被害状況は以下のとおりでした。5月末までは学校が休みになっているため、まずは6月1日の再開に向けて可能な限り環境を整備していきます。
・Shree Raktakali Primary School, Kot Timal:1年生用教室、図書室、教員室が入っている校舎が倒壊で要修復
・Shree Kalika Primary School, Kalikasthan: 問題なし
・Shree Seti Devi Primary School, Khardarpati: 4教室が入っている校舎が倒壊で要修復
今後は各家庭には雨季に向けた生活環境の整備、学校校舎の修復、そして子供達の精神的なケアを3つの柱にして支援をしていく方針です。
Kalikasthan-damaged-house
このように土やレンガを積み上げただけの家屋が多いために地震には弱い構造になっています。
KotTimal-damaged-houses
青く見えるのが今回配布したテントになります。それぞれ自分の家の近くにテントを立てて、泥棒等に備えながらの生活になっています。
Damaged-Shree-Seti-Devi-School
学校の校舎です。屋根の一部が取れており、雨風が防げない状況になってしまっています。

2015年5月22日:登山家栗城さんとのカトマンズでの会談

ネパールに地震復興支援に来られていた登山家である栗城史多さんとPax Earthのネパール現地法人代表であるSujan Koiralaがお会いしました。栗城さんは今回の大地震の震源に近いゴルカ郡バルパック村にて復興支援活動を行っており、それぞれの活動に関する情報共有と今後の協力関係の可能性について話し合いをしました。栗城さんは6月12日19時から他の登山家と共に【ネパール復興】チャリティーイベント『ネパールと共に』を開催されるとのことですので、ご関心のある方はぜひ参加してみてください。
kurikisan-sujan

2015年5月30日:大工さんを派遣

前回活動地に訪問した際に学校校舎の被害がわかり、また6/1よりそれまで休校になっていた学校が再開することにともない、校舎の修繕が急務になっておりました。しかし現地には校舎の修繕まで手が回る大工さんがおらず、急遽日本のパックスアースメンバーで工務店に努めているメンバーをネパールに派遣することにしました。まずは彼に現地を見てもらい、何をすべきか、何ができるか、どんな資材が必要かを判断し、実際に村人とともにコミュニティの中心でもある学校を復活させたいと考えております。彼のネパール入りは5月30日になりますので、随時報告が届き次第更新いたします。なお、日本から持ち込む大工道具は以下のとおりです。
・電動工具:丸ノコ、インパクト、ベビーサンダー、サンダーの刃
・大工道具一式:手ノコ、ネイルハンマー、墨つぼ、差し金、スケール、水平器、小バール、カッターナイフ、鉛筆

2015年6月4日-6日:仮設校舎の建設

パックスアースの支援地域にある学校のうちの一つであるShree Seti Devi Primary Schoolの校舎が半壊し、4つの教室が使えない状況にありました。日本から派遣した大工さんと中心として、地域の先生やボランティアの方等のべ約20人のご協力により3日間かけて仮設校舎が完成しました。この校舎では屋根にはトタンが使われており、壁や柱には周辺地域で取れる竹材を使用し、教室は2つあります。これで雨季でも子どもたちが授業を受けられそうです。
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2015年6月17日:第2回目日本からネパールへの支援金送金

第2回目の送金を行いました。先日1校で仮設校舎の建設を行いましたが、新たに1-2校にて同様の要請が入ってきていますので、対応準備中です。また、6月に入り学校が再開しており、通常の授業に加えて、子どもたちの精神的なケアにつながるプログラムの実施、文房具の補充なども予定しています。

2015年9月19日-22日:仮設校舎用の資材運搬・建設と現場視察

日本人スタッフ3名により、現地を訪問しました。詳細はこちらに記載しました。